私はこの旅館で生まれて、
9歳まで4階の一室に住んでいました。
その一室にずっと置いてあった「飾り棚」
その後、その一室が改装されて客室として稼働しだしてからも
この飾り棚はずっと置かれていました。
ガタついていた扉も取れて、とうとうどこかにいってしまい
とてもじゃないけど、お客様の前には置けないとバックヤードへ…
大型ゴミの改修のたびに「あの棚はどうしますか?」と
ずっと処分の対象になっていました。
なんせ50年以上前のものなので、むやみに捨てるのは勿体ないなぁ…と
すぐにポイポイ捨てる私もさすがに思いとどまり、お座なりで数年経過。
いやいや、忘れているわけではなかったのです。
ちゃんと手帳にはToDoリストに挙げていたんですよ…
新年を迎え手帳が変わるたびに付箋を移し替えていましたが(^^;)
(ちなみに今はアプリで管理していてこの付箋リストはあまり機能しておらず)
そんな折に、プライベートで大阪南港にある大塚家具に出向いた時に
この飾り棚とそっくりのものが販売されていました。
価格を見てびっくり!70万くらいだったでしょうか。こんなにするもんなんや!
とうとう処分ではなく修繕に出すべきだ!とおしりに火が付き
担当の方に相談しました。
いろいろ迅速に対応してくださり、専門業者に調べさせたところ
これは「紫檀(シタン)」という今は希少価値の高い材料で、
同じ飾り棚を新規で購入するならば200万円は下らないだろう、とまで言われました。
その専門業者さんは「処分を検討されてる?もったいない!
大塚家具さんはぜったいに上乗せせずにこの料金で修繕してもらってください」という
真摯なやり取りまで聞かせてもらい、数十万円かけて正式に修繕を依頼しました。
そして、先日無事、甦って戻ってきました!!
まるで新品!職人技術が素晴らしい!
無くなっていた扉も上手に復活して頂きました。