先月下旬に京都市内の中学生6名が
「職場体験」として4日間連続で当館に来ていました。
大学生のアルバイトやインターンシップ受入れの経験はありますが、中学生は初めて。
ちゃんと学校の意向に添えられるだろうかと気を揉みながらも、気持ちの良い挨拶で来てくれた6名の生徒さん。
「旅館業」の楽しさを伝えたかったのですが、お客様のおられない時間帯なので、どうしても裏方の業務に偏ってしまいます。
客室の清掃、大浴場の清掃、フロント業務、調理場の盛付、洗い場…
もっと、「茶道」「華道」など楽しいところを体験させた方が良かったのかな…と反省していましたが、
生徒さんからの礼状を受け取って、仕事の大変さを知ってもらう4日間のスケジュールで良かったのかもしれないと思い直しました。
こちらの学校は一学年200名越え。約80施設に分かれて職場体験をしたそうです。
事前のアンケートで「旅館・ホテル業」を希望された生徒さんだったと聞いています。
私は初日と最終の4日目にアレコレと話しをしました。
特に最終日は四日間の振り返りと共に、
いつも私が大学で講義するパワーポイントを使って「ホスピタリティ」の話を進めました。
接客業って、実はお客様の前に出る業務は全体の2割程度。
迎え入れるための残り8割の裏方業務が大変だったでしょ。
でも振り子のように、大変なことがあれば、同じ割合で喜びもあるよ。
そんな話もしましたが、生徒さんの体験発表の模造紙にはそのことが触れられていました。
お金を稼ぐというのは大変なことなんだよ、
是非お家のお父様やお母様が普段どんな仕事をしているか聞いてみて。
まだまだ「働く」ことに対して意識が無いのは当然の中学生。
その気持ちもよくわかる故に、今回の4日間が本当に役に立っているのだろうか。
そんなジレンマも感じましたが、この発表時の写真を持ってきたくださった担当の先生が仰るには
「どの生徒も ‵お客様の為に’ 行動していることが印象に残っているようです」とのこと。
一人一人が書いてくれたお礼状にも、何かしら心に残る経験があったようで
大なり小なり何か一つでも心に響くことがあればそれで十分だな、と思い直しました。
同時に生徒さんの礼状から、当館のスタッフもしっかり使命感を持って
業務に携わっていることが間接的に再確認でき私も一安心しました。
教えることは学ぶこと、ですね。