気付けば今月は全くブログを書いていないことになるところでした。
いつもアレも書きたい、コレも触れておきたい…とネタだけは頭に思い描きながら、前回の更新からひと月以上が経過していました。
さて、私は9月半ばに来られた女性グループのご予約日を心待ちにしていました。
こちらの女性グループは、私が旅館業に携わるようになったその年の まだ20代前半の若かりし頃から、年に一度必ず来てくださっている方々。
以前にもブログに綴ったことがありますが、当館では「祇園ときめきナイト」という格安で舞妓さんと会える夕方限定のプランがありました。
日曜日以外はたとえ2名様でも企画を実施していた時もありました。お客様からは大変喜ばれていましたが、あまりにも採算度外視のお得プラン過ぎて開催中止に至りました。
当時大学生だったお客様は、このプランに必ず来てくださっていて、社会人になると舞妓宴会でご予約をくださるようになりました。
某年には、ちょうどお客様のお一人がお誕生日で、舞妓さんがバースデーケーキを運んでくれるシーンは京都新聞にも取り上げて頂きました。
次々とご結婚やご出産をされて、いつも6名がお揃いになるわけではありませんが、同窓会のような形でここ新門荘で集まられることを楽しみにしてくださっているようで、私たちも仕事冥利に尽きます。
ご到着の数日前には、写真のような素敵なお花が届きました。
年に数回お送りする「新門荘通信」を楽しみにしてくださっていて、今年は当館が創業70年を迎えることや、この4月から私の肩書が「女将」になり、新たに「若女将」を就任させたことをしっかり記憶にとどめてくださっていていました。
本当に有難いかぎりで、私の持ち合わせるボキャブラリーでは、十分なお礼の言葉が出てこないほど喜びでいっぱいになりました。そして、頂いた立派なお花の立札を見て改めて感慨深くなったのです。
あぁ、そうか。
今年は平成から令和という時代に変わり、当館は創業70年を迎える年。私が「若女将」から17年を経て「女将」になり、素質を感じるスタッフを「若女将」を新任させた年。同時に社内体制もゴロっと変わり、(詳細は割愛しますが)私が本当の意味でストレスフリーになった年。
残っているスタッフが別人のように皆 本当に活き活きと仕事に励み、私は安心して彼ら彼女らに任せて新しいお客様をお迎えできる精神的なゆとり。
そして、こうして当館の事を思い出してくださるお客様に恵まれて、もういつ引退してもいいなぁと思えるようになりました。
…いや、まだ辞めませんけどね。( ̄∀ ̄)
京都市内は雨後の竹の子のようにホテルが林立し、完全な飽和状態。
これからが生き残りにかけて、お客様に選んでいただける宿で有り続けるように 真剣に仕事をしていかなければならないのです。
そう、腹帯を締め直して今年も残り3か月。精進してきます。