女将のブログ

兵庫県と東京まで、講演活動

月に一回ペースで観光学部やサービス学科などの学部がある大学、専門学校、高校で
「旅館の魅力を伝える」という講演活動が続いています。
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11月は兵庫県夙川にある「大手前大学」にて。
学生の皆さんは60~80名ほどいらっしゃったでしょうか。
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直近と言えども、こちらの学校さんはいつになく印象に残っています。
男性も女性も皆が真剣に私の顔を見て、表情明るく
耳を傾けてくれていたことがとても印象的でした。
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講義後に配るアンケートとは別でレポートも書いてくださっていたようですが、
先日その一部が私宛にメールで届きました。

私が伝えたいことを素直に受け止めてくれているようで、
この細々とした講演活動の遣り甲斐を感じます。
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先日は東京の「落合」と呼ばれるところにある「日本ホテルスクール」まで出向きました。
ホテル、ブライダルの専門学校というだけあって、すでに実地訓練も経験されている学生さんばかり。
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60分間×2回を話し、実は来月も同校へ出向きさらに2回同じ話をします。
計150名以上の皆さんが旅館について耳を傾けてくださるわけで、
片道3時間は体力的になかなかキツイですが、本当に有難い機会を頂戴しました。
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「是非、旅館に就職してください!」といった下心丸出しの話や
京都や自分の旅館の自慢話なんて絶対にしたくない。(まずそんなことは頭にないので)
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ただただ純粋に、
「ホスピタリティって決して難しいことじゃないヨ!
彼氏や彼女の誕生日にいろいろとプランニングする、あのワクワク感と一緒だよ!」
ということを伝えたい。
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だから、私の話の構成は、京都や自分の旅館の紹介は1/4程度にとどめ、
ひたすら「旅館業」と「ホスピタリティ」について説明しています。
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旅館の歴史や、軒並み減少する現状、
ホテルのみならず宿泊形態が多岐にわたる時代に入っているけれど、
それでも「旅館」が無くならないと確信する理由。
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「泊まって良し、働いて良し、薦めて良し」の旅館業の存在を広める為に、
お声をかけてくださるかぎり、これからもコツコツこの活動を続けたいと思っています。
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最後の写真はこの学校を紹介してくださったJTBの白井氏(ストライプのネクタイ)、
日本ホテルスクールの理事長でいらっしゃる石塚氏(紫のネクタイ)と一緒に。

舞妓の小はるちゃん引退

いつも笑顔で、裏表のない可愛らしい性格で、
ウィットに富んだ会話上手な宮川町の「小はる」ちゃんが
先月末に舞妓さんを引退されました。

写真は花街を去る時に、関係者に三角形の「引祝」と書かれた和紙配り挨拶に来てくれます。
「小はる 改メ あかり」

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花街を引退して、本名の「あかり」さんに戻るわけです。

 

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つい最近、店出し(舞妓デビュー)で挨拶に来てくれたと思っていましたが、
あれからもう6年が経過していたのですね(@@)
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6年前はあんなに‘おぼこい’(幼い)印象があった彼女も
数年で、すっかり色艶のあるお姉さん舞妓になっていました。
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舞妓さんは店出しする前に、約1年間の修業期間がありますから
中学校を卒業してすぐに京都へ越してきて
7年ほど祇園界隈に住んでいたわけです。
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バックヤードの待ち時間の最中は、いつも文庫本を読んでいた彼女。
「本の‘におい’が好きなんどす。ちょっと変わってまっしゃろ」と笑顔が輝いていました。
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舞妓さんが終わったら、芸妓さんになるかと思いきやの引退。
誰からも愛されるとっても良い子だったので、ほんとに残念です(TT)
ご実家のある関東へ戻られていると聞きましたが、
身体に気を付けて素敵な20代を謳歌してほしいと思います♪
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MBS放映されました!「陣内智則の子育て お悩みぶっちゃけ秋の京都巡り」

タイトルの通り本日12:54~13:54に
MBS「陣内智則の子育てお悩みぶっちゃけ秋の京都巡り」という関西ローカルの番組に放映して頂きました。

10月下旬に撮影がありました。
写真の通り、陣内智則さん・未知やすえさん・シャンプーハットの小出水さん・COWCOW 多田さん・令和喜多みな実河野さんの5人も芸人さんが来られました。

「●時頃に芸人さんは映画村から来られますので」とは聞いていたものの、そろそろかなァ~と思っていたらすでに玄関が賑やかで、突然入ってこられてあたふたしながらご挨拶していました。
(そのアタフタしている様は上手に編集カットされていて安心)

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これまでTV撮影時はいつも「はい、カメラ回ります」の合図があったのですが、今回はそういうものがなく、芸人さんの普通の会話をカメラで撮影されている感じ。
さすが!芸人。カメラが回っていようがいまいが関係なく、思わずブッ!と吹き出したくなるのを我慢するほど面白い会話…

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それでいて、皆さん我々に対しても気さくで、腰が低くて、ほんとに好印象でした。
陣内さんはロケバスの中からわざわざ窓を開けて、手まで振ってくれていました。
売れっ子芸人のみなさんは、周囲にも気づかいされるというのはホントだなぁと感心しました。

記念に皆さんのサインも頂きました!
当館を取り上げて頂きまして有難うございました!

TV撮影がありました

昨日は某テレビ局の取材がありました。
全国的に名の知れた芸人さんが5名来られ、
カメラも3台入っていました。

約2週間後の放映日が近づいて、
許可が出たら詳細をお伝えします♪

17年連続でお越しくださるお客様

気付けば今月は全くブログを書いていないことになるところでした。
いつもアレも書きたい、コレも触れておきたい…とネタだけは頭に思い描きながら、前回の更新からひと月以上が経過していました。

さて、私は9月半ばに来られた女性グループのご予約日を心待ちにしていました。
こちらの女性グループは、私が旅館業に携わるようになったその年の まだ20代前半の若かりし頃から、年に一度必ず来てくださっている方々。

以前にもブログに綴ったことがありますが、当館では「祇園ときめきナイト」という格安で舞妓さんと会える夕方限定のプランがありました。
日曜日以外はたとえ2名様でも企画を実施していた時もありました。お客様からは大変喜ばれていましたが、あまりにも採算度外視のお得プラン過ぎて開催中止に至りました。

当時大学生だったお客様は、このプランに必ず来てくださっていて、社会人になると舞妓宴会でご予約をくださるようになりました。
某年には、ちょうどお客様のお一人がお誕生日で、舞妓さんがバースデーケーキを運んでくれるシーンは京都新聞にも取り上げて頂きました。

次々とご結婚やご出産をされて、いつも6名がお揃いになるわけではありませんが、同窓会のような形でここ新門荘で集まられることを楽しみにしてくださっているようで、私たちも仕事冥利に尽きます。

ご到着の数日前には、写真のような素敵なお花が届きました。
年に数回お送りする「新門荘通信」を楽しみにしてくださっていて、今年は当館が創業70年を迎えることや、この4月から私の肩書が「女将」になり、新たに「若女将」を就任させたことをしっかり記憶にとどめてくださっていていました。

本当に有難いかぎりで、私の持ち合わせるボキャブラリーでは、十分なお礼の言葉が出てこないほど喜びでいっぱいになりました。そして、頂いた立派なお花の立札を見て改めて感慨深くなったのです。

あぁ、そうか。

今年は平成から令和という時代に変わり、当館は創業70年を迎える年。私が「若女将」から17年を経て「女将」になり、素質を感じるスタッフを「若女将」を新任させた年。同時に社内体制もゴロっと変わり、(詳細は割愛しますが)私が本当の意味でストレスフリーになった年。

残っているスタッフが別人のように皆 本当に活き活きと仕事に励み、私は安心して彼ら彼女らに任せて新しいお客様をお迎えできる精神的なゆとり。
そして、こうして当館の事を思い出してくださるお客様に恵まれて、もういつ引退してもいいなぁと思えるようになりました。

…いや、まだ辞めませんけどね。( ̄∀ ̄)

京都市内は雨後の竹の子のようにホテルが林立し、完全な飽和状態。
これからが生き残りにかけて、お客様に選んでいただける宿で有り続けるように 真剣に仕事をしていかなければならないのです。
そう、腹帯を締め直して今年も残り3か月。精進してきます。

香港からのインターンシップ生

7週間前に香港から優秀な学生がインターンシップとして、新門荘に来てくれました。

彼女を受け入れることになった経緯は、
京都産業大学のキャリア形成支援プログラムからお声がかかったことから始まります。

ちょうど約一年近く前の事で、軽く頭の片隅に入っていたような記憶が、掘り起こされたのが今年の4月頃だったでしょうか。

「日本が大好きで、何度も来日していて着物を着て働きたい20代の女性が居る」とのことで、
SKYPEで話をして、受けれることを決めました。

こちらは寮も賃金支払いも発生しなくてよいといえども、やはり現場のスタッフは時間が取られて大変な状況になるのは想像に難くありません。
それでも、きっと彼女の人生のことや、今の新門荘のスタッフメンバーならば手厚く快く、一丸となって面倒を見てくれるだろうと確信を持っていました。

7週間もの長期間、若いスタッフを中心によくお世話をしてくれました。
最後に彼女が買いてくれた手紙を読むと感涙。受け入れて良かったと安堵しました。

中国系のお客様が来られた時は一度や二度ではなく、通訳として大活躍してくれました!
↓↓ 当館の若女将の横に座り、舞妓の説明をしてくれている彼女 ↓↓

記念に宮川町の「小はる」ちゃんと並んで玄関前で写真撮影。

実は彼女には一つのミッションを与えていました。
「毎日必ず新門荘のインスタをUPすること」
館内の事でも、京都のステキ!と思った事でも、なんでもいいので貴方の目線で自由にUPしてね、と。

彼女がインスタUPしているとは知らずに、コメントの日本語に「?」と思われた方もいらっしゃったかもしれません。

時々 私が編集していましたが、絵葉書にできそうな素敵な写真を毎日欠かさずUPしてくれていました☆
ミッションコンプリート!よく頑張ってくれました!!
日本人では目が向かないような斬新な目線でUPしてくれていることもありました。

是非、インスタのアカウントをお持ちの方はフォローしてご覧ください。

ヴィッキー!ご家族と一緒に、また京都に、ここ祇をん新門荘に遊びに来てね!!

東洋大学シンポジウムに登壇

7月9日、7:56の新幹線に乗って東京まで。
HOTERES と 東洋大学が主催するシンポジウム「日本の観光ビジネスを考える」に登壇するためです。
東京駅からタクシーで15分程かな? 降りた瞬間にそびえたつ校舎に慄きました…

一緒に登壇するのは、間違いなく京都でナンバーワンのやり手
綿善旅館の若おかみ、雅世ちゃん

私より年下なのにその行動力と私をいつも笑かしてくれるオモローの性格の持ち主であり、
お宿自体も「生産性向上国民運動推進協議会」で安倍晋三首相の前で
成功事例として紹介された、前向きでいつもやる気満タンの旅館です。

400人以上の座席数を誇る「井上円了ホール」
井上円了氏は東洋大学の創業者だそうです。

MICEコンテンツの取組やIR開発による地域振興など幅広いテーマで講演がなされていました。
印象深かったのは株式会社 八芳園(ハッポウエン)の総支配人 井上義則氏の講演です。

自らの手腕でわずか4年で1000件まで低迷していたブライダル件数を2000件まで増やした実力のみならず、
アジアを相手にビジネスイベントを誘致していくすさまじい行動力。
MICEを始めアジアでは6時間程度の移動距離は問題ない範囲だそうで、
世界のニーズに対して、間違いないコンテンツを圧倒的なスピードで提供し続けおられます。

私と同じ40代なのに、自身に漲り仕事を思いっきり楽しんでいるよう姿が垣間見える熱意にとても感動を覚えました。
「人は肌に触れないと より思い出深くならない」
「人と人とのつながりが大切だ」
と井上氏は仰っていましたが、全く持ってその通りであります。

法律が変わり、どんどんホテルと旅館の違いが薄れる中
「女将が考える‘旅館’の定義はなにですか」と問われた時も、井上氏の言葉を借りました。

これからの旅館に求められることは「人」「料理」「文化」です。

他にも「旅館の労働環境が厳しいイメージがつきまとうが実際はどうか、どのような改善が行われているのか」
「旅館の料理についてどう考えているか」などの質問が出てきました。

また聴講者の半分くらいは学生だったように思うのですが、最後に彼らへのメッセージも求められました。

それらの回答まで、ここに書くととても長くなるので省略しますが、
私も場馴れがようやく活かされだし、いつになく落ち着いて よどみなく言葉が出てきました。

年齢を重ねるとともに「これだけは!」という、ぶれない軸がより強固になってきたこともあり、
迷いが無くなってきたこともあるのかもしれません。

さて、関西ではまだまだ少ない産学一体の取組み。
今回のシンポジウムは全て学生が運営していました。

私たちゲストをしっかりアシストし、音響から機材調整まで。
礼儀正しい彼らがとても微笑ましく、準備には相当な労力がかかっていることは想像に難くないですが、
それらの重責をきちんと全うしている彼らの姿勢にとても感心しました。

2度目の和歌山大学へ

昨年の11月30日に国立・和歌山大学の観光学部の宿泊概論の授業の一コマを頂戴して、
学生の皆さんの前でスピーチをしてきました。
有難いことにまたお声掛けを頂いて、今回は2回目の登壇。

和歌山大学へゲストスピーチ 2018年12月1日

 

10名程同じ学生がいらっしゃるので、前回と内容を8割変えて臨みました。

「観光」×「ホスピタリティ」×「旅館」ということをキーワードにして、
昨今の京都に置いて観光を取り巻く諸問題である4つの項目にも触れました。

1、観光公害
2、お宿バブル
3、民泊ビジネス
4、人手不足

いつもはかなりアドリブで話を進めるのですが、
アドリブが効くのはやはり基本的な正しい知識があってのこと。

巷のニュースでなんとなく理解していた気になっていただけなので、
これではアドリブが効かないわ!と思い直し、
今日の日を迎えるにあたって私自身も何冊も書籍をあさり、
ここ5年ほどの国や京都の観光についての動向などをまとめたりしていました。

まとめればまとめるほど、現在の京都市の観光に対する施策には腹が立ちますね。

…それについてはまた時間のある時に書くとして(書いたら炎上だな)、
授業終盤の学生からのするどい質問にはほんとに感心しました。

去年も、こちらの学生さんからの的を得た
答え甲斐のある素晴らしい質問に驚きましたが、
今回も良かったですね~

残念なのは私が本質を突いた回答を即座にできなかったこと。
たとえば「先ほど話された進めておられる‵旅館業’と星野リゾートが進める‵旅館’の相違を教えてください」という質問。

「共通することはあっても、相違点は今思い浮かばない」と情けない回答になってしまいましたが
今思えば伝えたい回答は「経営のスピード感」です。ただ、とっさには答えられなかった。

そして「観光を取り巻く諸問題に対して、旅館というスタンスで変えていけることはないか」という質問。
この質問をしてくれた学生も、しっかり勉強しているんだなぁという背景が会話の節々から感じられました。

和歌山まで往復4時間強。
この通学時間には代えがたい濃密な90分を過ごせました。

 

職場体験で来てくれた中学生

先月下旬に京都市内の中学生6名が
「職場体験」として4日間連続で当館に来ていました。

大学生のアルバイトやインターンシップ受入れの経験はありますが、中学生は初めて。

ちゃんと学校の意向に添えられるだろうかと気を揉みながらも、気持ちの良い挨拶で来てくれた6名の生徒さん。
「旅館業」の楽しさを伝えたかったのですが、お客様のおられない時間帯なので、どうしても裏方の業務に偏ってしまいます。

客室の清掃、大浴場の清掃、フロント業務、調理場の盛付、洗い場…

もっと、「茶道」「華道」など楽しいところを体験させた方が良かったのかな…と反省していましたが、
生徒さんからの礼状を受け取って、仕事の大変さを知ってもらう4日間のスケジュールで良かったのかもしれないと思い直しました。

 

こちらの学校は一学年200名越え。約80施設に分かれて職場体験をしたそうです。
事前のアンケートで「旅館・ホテル業」を希望された生徒さんだったと聞いています。

私は初日と最終の4日目にアレコレと話しをしました。
特に最終日は四日間の振り返りと共に、
いつも私が大学で講義するパワーポイントを使って「ホスピタリティ」の話を進めました。

接客業って、実はお客様の前に出る業務は全体の2割程度。
迎え入れるための残り8割の裏方業務が大変だったでしょ。
でも振り子のように、大変なことがあれば、同じ割合で喜びもあるよ。

そんな話もしましたが、生徒さんの体験発表の模造紙にはそのことが触れられていました。

お金を稼ぐというのは大変なことなんだよ、
是非お家のお父様やお母様が普段どんな仕事をしているか聞いてみて。

まだまだ「働く」ことに対して意識が無いのは当然の中学生。
その気持ちもよくわかる故に、今回の4日間が本当に役に立っているのだろうか。
そんなジレンマも感じましたが、この発表時の写真を持ってきたくださった担当の先生が仰るには
「どの生徒も ‵お客様の為に’ 行動していることが印象に残っているようです」とのこと。

一人一人が書いてくれたお礼状にも、何かしら心に残る経験があったようで
大なり小なり何か一つでも心に響くことがあればそれで十分だな、と思い直しました。

同時に生徒さんの礼状から、当館のスタッフもしっかり使命感を持って
業務に携わっていることが間接的に再確認でき私も一安心しました。

教えることは学ぶこと、ですね。

 

ツバメの巣が落ちた後 スゴイことに。

当館は南北に走る「花見小路通り」に面して正面玄関があります。
東西に走る「新門前通り」には勝手口があるのですが、
数年前からツバメが巣を作るようになりました。

この「新門前通り」は今年の桜シーズンから、軽ワゴンを除けて通行止めをするほど市の度重なる工事が続いていたので
さすがに巣作りはしないかなぁ…と諦めかけていましたが、いつもの間にか巣が出来上がりヒナが顔を出しているのを見るようになりました。

そんな矢先に、巣が落ちてしまいヒナが6羽中2羽死んでしまったとスタッフから聞きました。
そして、緊急で巣を作ってヒナを戻してくれたそうです。

良いあんばいの物を見つけて、器用に作ってくれました!

藁の家が、億ションみたいになっていて思わず笑ってしまいました。
2羽は残念ながら死んでしまいましたが、残された4羽はしっかりここから巣立ってほしいです。

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