平安神宮から観光都市

平安神宮は明治28年(1895年)に
京都へ遷都した桓武天皇をご祭神として創建された。

明治2年に東京へ遷都されてからというものの
京都の人間に大きな衝撃が走り、
また京都の衰退には目を覆うものがあったそうだ。

そんな中、新たな京都を模索しながらも様々な復興事業を展開し、
平安神宮の創建もそんな一つだったようである。

その後、昭和15年の皇紀2600年にあたる年には
平安京最後の天皇、孝明天皇のご神霊も合わせて祀られる事になった。


私の住まいが、この平安神宮の近所であることは
何度かこのブログでお伝えしました。
また、実家も同じく平安神宮の近所だ。
小さな頃から、当たり前のように大鳥居を目にし、
前を行き来していましたが、初詣に中へ入る程度しか知らなかった…。


先日、この平安神宮の奥の「神苑」まで足を伸ばしました。
犬の散歩途中だったのですが、
巫女さんに犬は抱っこすれば入っていいとお許しを得たので、
600円払って初「神苑」に。

jinnguu.JPG

この庭は約10,000坪もある。
春は紅しだれ桜、初夏の杜若・花菖蒲、秋の紅葉、冬の雪景色が
楽しめるようで、私が行ったときは綺麗な蓮の花が
初夏を綺麗に彩っていました。

池.JPG

ハス.JPG

こんな身近に、こんな素敵な場所があるなんて…
近いからこそ、季節ごとに訪ねたいと思いました。@^▽^@



さて、冒頭にも述べましたが、
この平安神宮は今から1112年前に創建された。

京都は千年の都ですから、神社仏閣から町屋まで
何百年も昔に建てられた物は山ほどあるわけです。

平安神宮はその歴史から言うとたった112年前の建物。
しかし、おそらくこれほど知名度の高い建物は
この112年間、平安神宮以降は建てられていないのではないだろうか。


昨今 京都の景観についてなにかと新聞を賑わせていますが
私たちの生きている時代の建物で100年後まで通用する建物が
京都に残されているのかどうか。

千年以上も栄え続けた雅やかな京都を後世に伝えるために、
京都復興にかけた明治の方々の熱意。

現在の京都は上記を全く考えていない。
いないからこそ、市内にはボコボコ高さのある建物が林立している。
気付いた時には、文字通り「時すでに遅し」。

今更 市内中心部に景観の条例で縛ったところでどうなるもんか。
中途半端な「古都法」は中途半端な京都を作り上げた。



ある料理屋のマスターが現在の観光都市・京都について、

「僕があと50年早く生まれて、権力があったら
京都駅から北・東は清水寺のある東大路まで、西は堀川通りまで、
全部、徹底して平屋の二階建てのみにし、電柱は地中にすべて埋め込まないと
いけない条例をつくっておいたな。
その区域以外なら好き勝手にしてもええわ」と、話していた。

‘たら・れば’の会話なので、ブログの読者には失笑される方も
おられるかもしれないが、
本当にそんな京都であれば、もっともっと価値のある現在になってると思う。


住んでる私が言ってはいけないだろうが、京都は汚い。

平安神宮の近くの岡崎公園周辺でさえも大小ゴミが散らばり、
四条繁華街は自転車が溢れ、交通規制がままなっておらず、
渋滞は常に引き起こし、マナーの悪いタクシー運転手、
偉そうなバスの運転手。通行路まで進出する看板。品のない風俗案内所。
既得権で風致地区にあるブティックホテル。
特定地区の言いなりになって、事を進めることが遅い行政。


「京都はいいですね」と言われるたびに恥ずかしい思いをする
京都人は私だけではないはずだ。

それでも、やっぱり100年後も観光都市・京都!と、
まるで日本の代表でもあるような顔をしているんだろうな。


例えば…

現代人の「一人一人のモラルの向上」はもはや諦めて、
地元の人間はもちろん、観光客からも徹底して罰金でもとってほしい。

しかし、「罰金制度にしたら、観光客が減る」という議論が
議会では出されるらしい。馬鹿馬鹿しい。
そんな汚す観光客は京都に来ていらん。
行政も目標を「5000万人の観光都市」とか掲げずに、
日本では類稀ない、厳しくともレベルの高い観光都市を目指すべきだ。

それくらいしなければ、いろんな考えの人間が住まう「市」では
いつどこへ行ってもゴミ一つ落ちていないディズニーランドみたいな
場所は保てないように思う。



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