修学旅行生 その3

先日の私のブログにご宿泊いただいている保護者の方から
コメントを頂きました。

ご不快な思いをさせてしまったようですので、
お詫びとともに言葉不足を補足させていただきたいと思います。




さて、新門荘は修学旅行生を歓迎していないのか?

答えはいいえ、です。

なぜなら、学生であれ一般のお客様であれ
たとえ前泊の学校が無茶苦茶して帰られたとしても
今日この玄関をくぐられる方は、そんなことには関係なく
新門荘にとっては大切なお客様だからです。

仰るとおり、度が過ぎた生徒さんは全員ではありません。
やんちゃな学校でも真面目な生徒さんは大勢いらっしゃいます。
自分の学生時代を思い出してもそうです。

重複しますが、新門荘は修学旅行生を大切なお客様だと考えています。

単にお金になるとかそんな利己的な考えではなく、
思春期に京都の文化に触れることが、いずれ社会人になって
再び京都へ来られた時に懐かしさと同時に
新たな京都も発見してもらえる事と思っています。

だからこそ、以前のブログにも書きましたが
修学旅行生の食事も何度もリニューアルし、
従業員の生徒さんへの接客もお粗末にはしていませんし、
会社全体できちんとお迎えできる体制をとるように努めております。

京都が修学旅行生を受け入れるこの時期に
学生についてのブログをあえて私が書いたのは少し思いがありました。

これまでの旅館というのは、旅行業者・添乗員・学校の言いなりでした。
客商売ですからある程度は当たり前です。
ところがそれをいいことに旅館の扱いがぞんざいになっています。

物を壊されても来年も同じ地区から学生が来てくれるから…
つまりは泣き寝入りです。誰も決して言わない。
いえ、何をされても言ってはいけないような暗黙の了解でした。

そんな事ではますます、
裏表のある見掛け倒しの「商売」的なホテル旅館が増えるばかりです。

表では「ありがとうございます…
これくらいこちらでなんとかしますからお気になさらずに…」

裏では「うっとーしいなぁ!!」と怒りを爆発させる。

こんな繰り返しでは、
言葉は悪いですが「学生ごとき」という扱いをする施設が
増えていく一方です。

私はそうなってはならないと思います。


一昔前と違い、これまでにはなく理解しがたい事が多々起きています。
保護者がグループで後をつけにコソコソ旅館にきたり、
生徒が先生を殴って警察が来たり、
客室で爆竹を鳴らしたり、学生が旅館を抜け出して大騒ぎになったり…

先日のコメントでも書いていただきましたが、
一部の素行の悪い生徒さんのせいで
純粋に修学旅行を楽しみにして、学習意欲の高い生徒さんを
私も非常に気の毒に思います。

さらには、きちんと叱らない先生が増えることによって
真面目な生徒さんにまで迷惑する現状も気の毒なことです。



今日の学校も何かやらかすかもしれない…
もし、私がそう真剣に思って敬遠していれば、
額から、布団の襖から、館内の装飾品一切全てを取り払って迎えます。

そんな事をしてまで利益の為だけに修学旅行に泊まっていただくくらいなら
学生の受け入れを拒否したほうがいいでしょう。

そんな思いもしたくないし、そんな事もしたくないし、
「学生ごとき」という裏表のある施設が増えないためには
学校も保護者の方も生徒さんにきちんと教育していくべきなのです。

おそらくブログという手段がなければ、
宿の被害を知らない方は大半でしょう。

現状を知ってもらわないと何の打開策も見出せません。
宿への一方的な批判の時代はもう終わりです。
いち施設の‘いい宿’作りは経営者次第ですが、
京都全体の施設の「心からのおもてなし」の底上げは、
泊まられるお客様もマナーについて真剣に考えていただきたい。


宿の使命の第一義は「安全で快適な宿泊を提供すること」だと思っています。
快適とはハード・ソフト面の両方です。

物を壊したり、傷つけたりすることは
すぐに直せるもの直せないものがありますから、
自分が帰ったあとのお客様、学生さんにも迷惑がかかることです。
つまり、宿の使命の遂行を邪魔していることに繋がるのです。

ひとりひとりは素直で良い子でも、集団という力により、
また地元を離れテンションが上がっている事も加わり
‘赤信号みんなで渡れば怖くない’という状況も生まれる事もあるでしょう。


重複します。
寝食を共にする事で、団体生活の重要性を学び
地元を離れて、同じ日本でもこんなに文化の違いがあるのだと視野を広げ、
訪れた地域の人間と会話を持つ。

これが「修学旅行」の本分です。


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