嫌いなワンピース

先日の朝10時頃、携帯が鳴り響く。

グループ別に着信音を分けているので、家族からだなぁと思いました。
そして、なんとなく誰かが亡くなった知らせではないか、と思いました。

恐ろしい事に嫌な予感が的中しました。

母から、同業者の方が亡くなられたとの事。
私がすぐに電話を取らなかったので、母がメールで内容を伝えてくれた。

一読した瞬間、目を疑いました。
しばらくして、涙があふれて止まりませんでした。




とてもお世話になった方です。
4年程前に初めてお目にかかり、
それ以降いつも気さくに声を掛けてくださった。

よく飲みにも連れていってもらいました。
当時の私は自分のスタンスや
業務の細かな事で何かと路頭に迷っている状態で、
いつもお会いするたびに相談してました。
そして、いつも笑顔で、声優のような可愛い声で
真剣に受け答えしてくださってた。

時にはこういう会合があるからおいでよ、と誘っていただき
時には私を世間の中傷からかばってくださったり、
女同士で夜中遅くまで飲んで、大声で笑い飛ばしたり。



病気の事は知ってました。
「理江ちゃん、あんなー実はわたし…」と
電話をかけてきてくださったからです。
こんな人徳のある方がなんで?私には病気を疑う事しかできなかった。


何度かお見舞いにも行きました。
いつも忙しくされていて、急にベッドの上の生活は暇だろうと思い、
DVDのセットを持って行きました。当時流行ってた「24」を。

その後、現代医学の発展のおかげで、みるみる元気になられました。
旅行業者のお付合いのフランス旅行にも参加されてました。




最後にお会いしたのは昨年の暮れでした。
いつも買いに行くお花屋さんで偶然会いました。
彼女の車のナンバーを覚えていたので、
「いはるわ!!」と会える事をワクワクして、
自分の車を停めて花屋に入りました。

「じゃあねー、先行くわな。理江ちゃん、良いお年を!」
それが最後の会話でした。


皆に愛された人だったと思います。
わたしはほんの4年しか知りませんが、
例えば彼女が会合に来ているだけで、なんとなく安心感を覚えてました。
それを伝えると、照れくさそうに「なんでぇ〜?」と笑っておられた。



通夜や告別式の参列で、初めて黒いハンカチを持って行きました。
やはり人前憚らず、ぼろぼろ涙がこぼれ落ちました。
泣いてはいけないと思えば思うほどボロボロと。

嫌いなワンピース。
できれば袖を通したくないこの喪服をクローゼットから
出さなければならない。
しかも彼女のために、と思うと本当に悲しかった。

まだまだお若い40代。
いろいろご苦労されて、これから人生を謳歌していくはずなのに。

この世に生を賜った以上、いつかはお別れの時がやってくる。

しかしながら、あまりにも早すぎる、この素晴らしい女性とのお別れは
本当に辛い告別式でした。

私でこんなに辛いのだから、
残されたご家族・ご親族の事を思うと
どうお言葉をかけてよいのかわかりません。




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