菊乃井さんにて

今日のお昼は同業者7名で高台寺の「菊乃井」さんで食事をしました。


私の妹が菊乃井の若女将さんと幼稚園から大の仲良しらしく、
無理を言って、お忙しい中ご主人(お父様)から
特別にお話を頂く時間を割いてもらいました。


特に「何」について話してください、とお願いしていたわけでもなく
食事前にご主人が来られた時は
「さぁ、何話そ?」と一瞬そんな雰囲気でしたが、
さすがお話し上手。


「今日はどういう集まりや?旅館の跡継ぎばっかりか?
ほな、旅館のボン(息子)はなんで駄目なんかっていう話でもしよか」と
そこから50分くらいは話してもらいました。


え!言っていいの?っていうオフレコもあり、
しかし我々はイメージがしやすいだけに理解しやすく、
常に心に留めておかなければと思う点も多々ありました。


例えば‘ボンの人間は不遜だ’という事です。
確かに…あいたたた。
いいポジションにすっと入る事ができるから、
相手の立場になって物を考えられないんだ、という事です。

ここでいうボンボンは
裕福な家庭や恵まれた環境で育った者だけを指しているわけではありません。


人間、親を選んで生まれて来る事はできません。

しかしながら、跡継ぎの人間は
死に物狂いで下から這い上がるような経験が無いゆえに奢り高ぶりが多いから
他の人以上にもっと謙虚にならなければならないという事でしょう。

そして、なにも奢り高ぶりとは
椅子にひっくり返って偉そうな口をきくということではなく、
仕事の取り組みや考え方そのものの事でしょう。
                     (と、私は理解しました)


また、経営をしていく上では「私心清なるか」と
常に問わなければとの話もありました。
世の中に必要なものは潰れない、必要なものって?
それは公に利があることです。

他にはコンセプトや客層のターゲットについてなども話して頂きました。

ここには書ききれない程、身になる話でした。



単に食事をするならば、いつでも誰とでも来れますが、
京都の文化人の話を少人数で独占できるのはほんとに有難い事です。

自分を省みる事ができ、また士気も高まり、
大変有意義な時間が過ごせました。




その後、女将さんもご挨拶に来てくださいました。
昼から晩までずっと着物で、ほんまもんの「女将」というのは大変です。




お料理は夜の懐石を出してもらいました。
秋らしく虫かごをイメージさせる八寸から始まり、14品。


虫かご.JPG


かなりお腹が膨れました。

私が知る限りでは、たいてい品数が多いと
何かしらの料理は手を抜いたような料理が出たりするのですが、
さすが一流。最後まで細かな手の入ったお料理です。

お料理はほぼ全員がバシャバシャと一品ずつ撮っていました。
ほんと勉強になりますからね。
私もご他聞に漏れず一通り撮りました。



へや.JPG

写真はお部屋です。秋になると奥の緑木々が綺麗に紅葉するんだろうなぁ。

……食べ終わった後に撮ったので散らかってます(´〜`ヾ)





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