京ことばは難解?

業者さんからの売り込み電話があった時の話です。


私は一通りの説明を受けて「分かりました。考えときます」と言って、
受話器をおきました。

数日してまた電話がありました。

再び「考えときますー」と電話を置きました。




そしたら、しばらく経ってまたまた電話がかかってきて

「‘考えときます’と仰ってましたが考えていただきましたか?」と。

この一言で、やっと私も理解できました。

つまり私の言う『考えときます』は『お断りします』の意味です。
どうやらこれは独特の京都の言い方らしく、
東京から赴任して大阪に来られた業者の方には通じていなかったようです。


はっきりと、
「結構です。お断りします。遠慮します。」と言えばいいのですが、
『考えときます』はなんとも婉曲的な遠まわしな言い方です。




例えば、某カウンターのお料理屋で私がほくそ笑んだ事がありました。

どうやら関東からお見えのようなお客さんがいらっしゃって、
その方が大きな声で京都や料理の薀蓄を話しています。

しばらくすると大将が
京言葉独特のイントネーションを‘さらに'際立たせてこう言いました。

「お客さん、よー知ってはりますなぁ〜」


この真意は端的に言うと「喋りすぎだ、黙れ」と言う事です。

お客さんは勿論こんな意味で言われているとも露知らず、
むしろ褒めてもらってると思いご機嫌で喋り続けます。

大将は「そーどっかぁ〜。勉強になりますわぁ〜」と。


おっとー!! これは大将が相当イライラしています。

黙って聞いている私は怖くなりました。

だって、根っからの京都人の大将が
他人が本やメディアの受け売りの知識程度で
「勉強になる」京都や料理の話なんてあるわけないやん!



他にも、明らかに趣味の悪い服を着たおばさんに
「へー、派手な服がお好きなんやねー」と言おうものなら
それは遠まわしに「趣味悪いねー」という意味です。

ホントにいい服だと思っていれば「それ、よろしぃね」と言うから。

(京都人は簡単に「褒めない」なんて言われてますが、
それは個人的な問題でしょう)




さて、このように京言葉ははっきり言わない表現が会話に多く含まれ、
それは京都以外の方から見れば
なんとも嫌みったらしい…と感じられるようです。


私は、これら遠まわしに言うことで
相手を秒殺しないという優しさでもあると思います。


私が即答でセールスで「お断りします」と言うよりか、
大将が「知ったかぶりしたらあかん」と他のお客様の前で恥をかかすよりか、
「あんた、それ似合って無いよ」というよりかは
京都独特の遠まわしな言い方・・・

京都の人間がこのお公家さん文化の土地で
長年培われた「品良し」とする表現方法でもあるわけです。



しかしながら、こうも日本が狭くなり、
それこそ北海道・沖縄の人も気軽に京都に来れて、
電話一本で東京の人と会話ができるようになると
根っからの京都人の気質・性格を理解してもらう事は難しいでしょう。

むしろビジネスでは遠まわしでなく、
はっきりと発言するほうがスムーズにいくことが多いです。



そんな歴史背景を考慮しない目線で、あれこれ書かれるものですから、
いつの間にやら「京都人は嫌みったらしい」「京都人は○○だ」と
断定的な見解がはびこっているのかもしれません。


まぁ、京言葉は難しい。

少しでも通常のイントネーションと違うと
私もついつい奥を読んでしまいます…


「褒めてはるけど、ほんまは馬鹿にしてるんとちゃうやろか」ってね。




ブログ更新に勉励します☆ クリックしてくださいね♪         
          ★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。
リンクバナー
e_03.gif
バナー人気ブログランキング【ブログの殿堂】
くる天バナー

体感!!京ことば | comments (0) | trackbacks (0)

Comment Form

CONTENTS MENU
  • HOME
  • 宿泊プラン
  • WEBご予約特典
  • 標準宿泊料金
  • 団体様お見積り
  • お部屋・館内
  • お料理
  • 追加料理
  • アニバーサリー料理
  • 京都体験コース
  • 日帰りプラン

    • 会場案内
    • 宴会プラン
    • 慶弔プラン
    • 昼食プラン
    • 舞妓プラン
  • 交通アクセス
  • 祇園観光案内
  • 京都みやげ
  • 動画紹介
  • 若女将のブログ
  • 新門荘通信
  • メールマガジン
  • 会社概要
  • お問合せ
  • プライバシーポリシー
  • サイトマップ