瓢亭。京都の誇り。

さて、よく手入れされたお庭を横切り茶室へと通されます。
私が訪ねた日は雨上がりで苔がとても綺麗でした。

つくばい.JPG


待合室かな?と思いましたが、こちらで食事をするようです。


wasitu.JPG


お庭を眺め、4畳半でも落ち着く事ができる日本人のDNAを確かめるうちに
あっという間にお料理が出されるまでの20分の間も過ぎてしまいました。


食1.JPG


昼のお弁当を頼みましたが、お正月の名残のお膳が先に出されました。

食2.JPG


瓢亭といえば、これ!
煮抜きです。=半熟のゆで卵。

食3.JPG


料理はとても丁寧な仕事をしている事がすぐに分かります。

焼き魚の鰆もおそらく焼いた後はほったらかしにせずに
うちわで扇いでいるはずです。

身がしまっている割には箸がすんなり入ります。

数の子だけは、全体のバランスを考えてあえて
一品だけ濃い味付けになっていました。


大変満足できた時間でした。


料理の「美味しい・まずい」は個人の主観の感想です。
つまるところ自分が「好きか・苦手か」だけの感想です。

例えば濃い味に慣れた東北の人が、
京都のほんもんの料理の薄味には物足りなさを感じるでしょうし、
また、生まれ育った地域以外にも
家庭の味で慣らされた舌により料理に対する感想も変わってくるでしょう。


必ずしも「高い=美味しい」とは限りません。
ええ値段を取る割には出来合いばっかりで手を抜く飲食店はよくあります。

特に女性に多いのですが、一口物を入れるたびに「美味しい!美味しい」と
なんでもかんでも絶賛する人も見かけますが
「ほんまかいな?」と首を傾げたくなる事もしばしばです。
                     

私がそう思ってしまうときはたいてい接客が悪いか店内が不潔な時。




カウンターなのにタバコを吸いながら料理する一流店と言われる大将。

器をがちゃがちゃさせながら上げ下げする接客。

尋ねた事に正しく美しい日本語で答えられない接客。

お客の空気を読まずに自分のペースで料理を出し、会話に口を挟む接客。

座敷での料理提供で見るに耐えない脚さばきをする接客。

バックヤードが丸見えで幻滅する店。

不衛生すぎるトイレ。

見送りされる際に密かに振り返るとあくびをしていたり、
スタッフ同士で笑いながら話している最後。





どれもこれも「老舗」や「一流」などと
もてはやされる料理屋さんでの出来事です。

こんな状況下ではたとえ自分の口にあう美味しいと‘思う’料理も
美味しく‘感じなく’なるものです。



よって本来、飲食店は「料理」そのものだけでは判断しかねるので
「料理バランス・接客・店のしつらえ」等、
トータルして評価をするべきだと私は思っています。

(ちなみに「料理バランス」とは
全体を通しての味付けのバランスもさることながら
器とのバランス、支払う価格とのバランス等です。)





・・・・・・と、話がそれてしまいましたが
「瓢亭」はいつの日か絶対に夜席で訪ねたいと思う料亭です。

400年以上の歴史の重みを感じさせてくれる、
京都の人間が誇れるお店のひとつだと思います。

http://www.hyotei.co.jp/index.html 





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