心に残るアルバイト その1

何かのきっかけで思い出したときに
新門荘で働いている、働いていたスタッフの出来事を書き記そうと思います。

良くも悪くも…  できれば良い事をできるだけ多く書いていこう。



その1  フロント係 22歳女性 Tさん


もう数年前かな? Tさんの顔はもう覚えていません。名前も覚えていません。確か「た」で始まる名前だったような気がするのでここでは「Tさん」。

勤務期間も忘れました。半年くらいだったかな?1年くらい居てくれたかな?


彼女は大学生でした。
第一印象は真面目そうな子でした。だから採用したのだと思います。

私は普段、特に最近はフロントに立たないので彼女とあらためて話をしたこともありません。しかしながら、彼女の事が心に残っているのは
なにげにフロントに顔を出すと、売店の陳列棚や商品を一つずつ拭いている。

たまたまかな?私が事務所にいる事を知っているから点数上げにしてたのか?
立場上、年々猜疑心が強くなっている私を見事に裏切るかのように
彼女の同様の行動を何度も見かける事となりました。

例えば私が21時をまわって事務所にフラリと入り
フロントもチラリと覗くとまた売店の商品を丁寧に拭き掃除している。

彼女はお客様の出入りも落ち着くと自ら仕事を探して、
黙々とロビーの机を拭いたり、売店の商品を拭いていました。

誰に教わったのかな?当時のフロントメンバーを想定しても心当たりがない。
指導に回れるようなスタッフは当時は居なかったはずです。

そこで私は
「Tさん、あなたはよー気が利くね。
最近売店の商品がいつも綺麗やと思ってたら
あなたがいつも拭いていてくれたんやな。いやー感心!感心!」と、
オッサンみたいな誉め言葉をかけて「誰かにするように言われたの?」と
続けて聞くと「いえ、特に言われてはいなかったんですが・・」との返事。


私は嬉しかった。

誰も見てないから・・・ どうせやっても気が付かない・・・
過去には職種は問わず、
暇さえみつけたらペチャクチャとお喋りに興じる給料泥棒や
見てよと言わんばかりの自己満足の仕事振りをアピールしてくる人もいた中で
彼女のような「地味さ」が私は非常に好ましく思いました。

昨今の欧米かぶれで自己主張することが正しいかのような錯覚を起こしますが
その打算的な心は、あえて言葉にせずともいやらしく思うもので、
彼女のように楚々として仕事に取り組む姿勢には私自身も襟を正す思いがしました。


かつて‘上司は見てない’と愚痴をこぼす同級生のOLもいましたが、
それはやはり「見て欲しい」という欲求が出ているゆえではないかと思いました。
どんな職種であれ、純粋な仕事ぶりというのはきちんと評価はされているのになーと心の中で呟いた。



ひとつ心残りは、私はもっとTさんを誉めるべきでした。
『適切なタイミングできちんと声をかけて』誉めるべきでした。

数少ない彼女との会話で、
今頃おそらく薬品会社で変わらずひたむきに働いている事と推測します。

新門荘の愉快な仲間達 | comments (0) | trackbacks (0)

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