旅館の仕事

旅館は24時間、365日営業ですが
その苦労と反して決して儲からない、つまり割りの合わない仕事だと思います。

神経質な私は平然に装いながらも
大小関わらず、いちいち過敏に反応する性質で
時々、ほんとにいろんな意味で深いため息が出るときがあります。
過剰なストレスから体が悲鳴をあげている自分を気の毒に思います。

……と、まぁ自分に価値つける馬鹿馬鹿しいことは
             これくらいにしておいて(^^)。




先日、女性文化講座に参加した際に五木寛之氏の講演がありました。

90分間に及ぶ講演を私のメモから掻い摘んだだけなので、
皆さんにはお分かりにくい点もあることをご了承ください。


氏は冒頭にこう言われました。
「私は旅館という仕事はとてもうらやましい仕事だと思う」と。

氏は仏教に造詣も深く、「布施」について説明されていました。
布施とは「行」であり、布施をした人に幸せがくるという考えが仏教にある。

旅館業は、「無財の七施」というものを網羅している。(7つの詳細は省略)
それら「行」を全て行える仕事だ、旅館というものは。



ところで、よく、知人やお客様から
「好きでないと(旅館業は)続かないわよね」と言われることがありますが、私はこの仕事が好きだから続けているんだと強く認識したことはありません。

今思えば必然とも思える様々な偶然が重なり現在の私があるわけで
正直、自由にさせてくれるなら今すぐにでも専業主婦になりたいくらいです。

(決して嫌で仕事をしているわけではありませんが、
 精神的な苦痛から解放されたい、
 楽をしたいと思う怠惰な人間の一人なのです)



話し戻り、五木氏は仰いました。

「好きでこの仕事をする」というのは
一見強そうだが嫌になることもある、続かないのだ。
好きだから…楽しいから…面白いから…は自分本位だから続かない。

mission(使命感)を持って、天職・天命だと思って仕事をする。
「行」とはやらなきゃいけない。自分が何かを捧げることです、と。


仕事をしていて辛いなぁ、と思ったときは
どうぞこの事を思い出してください…と、氏は締めくくりました。




「人間はそれぞれの場所で、それぞれの行を与えられている。
布施を返していくことで行を積む。積むことで人間は成長するのだ」



そうです、旅館という仕事は家業とはいえ
ここで働くことが私に与えられた有難い「行」なのです。


旅館に限らず、人間には大なり小なり与えられた役割というものがあり、
生を賜った以上はそれらを全うしなくちゃならない。


……2007年1月から始めたこの稚拙なブログのアクセス数がお陰さまで
100,000を超えた事もあり、
氏の講演を思い出し、
あらためて気を引き締めて前進していく所存であります。

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